話題の「節電要請」ってなに?「節電ポイント」って本当にお得?

この夏、電力が足りないと政府が国民に「節電要請」を出しました。それを受けて話題となっている「節電ポイント」に関する各社の対応や、夏の節電で実は気をつけなければいけない点について詳しく解説します。

目次

 いま「節電要請」が起きている背景とは

この夏、政府は日本国内の電力需給に関して「極めて厳しい状況」との見解を示し、7月〜9月にかけて家庭や企業に全国規模で節電してほしいとの要請を出しました。

その背景にある一つめの要因は、「老朽火力発電所の休止・廃止」。近年、電力自由化の進展や脱炭素、コスト構造などを理由に、休止状態の火力発電が増加していることが上げられます。

二つめには、今年3月に起きた福島県沖地震による火力発電所の一部が休止したことの影響が。その地震によって、東北電力など、複数の大型火力発電所が長期停止状態となり、発電量が減少しているのです。さらに、三つめはテレワークで電力需要が急拡大している点。家庭用電力需要は、コロナ前と2020年3月~翌年2月までを比べると、世帯あたり約150kWh(約4%)増加しているのが実態です。

最後に四つめは、ロシアによるウクライナ侵攻。これによりエネルギー供給が国際的に不安定化していることが大きく影響しています。

このように、さまざまな要因が重なり合って、この夏電力需給が極めて厳しくなり、政府の私たち生活者への節電要請につながったのです。

ちょっと待って! 猛暑の夏は熱中症こそ危険!「節電」には要注意を

熱中症とは、気温や湿度が高い場所にいるうちに、体の調子が悪くなってしまうこと。ひどい時には、命に関わることもあるので、十分に注意しなくてはいけません。

人間の体の中では常に「熱」が作られていて、体温調節機能によって体温が36℃前後に保たれていますが、気温や湿度が高い場所に長くいると、体温調節機能がうまく働かず、体の中の熱を外に逃がすことができなくなってしまい、体内に熱がこもった状態=「熱中症」になります。結果、めまいや頭痛、けいれん、意識障害などが引き起こされ、場合によっては命の危険も伴います。ですから、節電よりも「熱中症にかからない」ための環境づくりのほうが大切ということは、改めて意識する必要があります。

いっぽう、熱中症を起こさず節電するためには、

・すだれやよしずなどで窓からの日差しを和らげながらエアコンを使用する

・冷蔵庫では設定を「強」から「中」に変え、扉を開ける時間を減らし、食品を詰め込みすぎない

・不要な照明を消す

などが考えられます。

この夏話題になっている「節電ポイント」って?どんなお得が?

さて、そんな節電要請がなされている中、話題になっているのが「節電ポイント」という言葉。これはいったいどんなものなのでしょう?

「節電ポイント」とは、電力会社などが節電に応じた家庭に対して付与する、電子マネーなどに交換できるポイントのこと。

例えば、東京電力では「夏の節電チャレンジ2022」を掲げ、2022年9月30日までキャンペーンを実施。節電チャレンジの対象時間帯に節電した量等に応じて節電ポイントがプレゼントされ、ポイントは、T-POINTやPonta、WAON、nanaco、au、d-POINT、amazonギフト券に交換可能です。どうせ節電するなら、ゲーム感覚でポイントを貯めていけばお得かつ楽しみも増えるかもしれませんね!

参加方法は、まず「くらしTEPCO web」へログインし、「夏の節電チャレンジ2022」参加フォームより申込みをします。すると、前日〜当日1時間前までに節電チャレンジの対象時間帯に関するお知らせが届き、実施となります。その後、節電チャレンジの結果を確認し、キャンペーン終了後に節電ポイントに応じて、「くらしTEPCOポイント」を獲得する流れとなります。

ほかにもあるある!「節電ポイント導入」各社事例一覧表【保存版】

東北電力

「夏の省エネチャレンジキャンペーン」と称して、各月の電気使用量が前年と比べ5%以上低かった顧客の中から、抽選で合計2万人に3万ポイントを贈呈します。

▶️詳しくはこちら

https://www.tohoku-epco.co.jp/energy_saving_cp/2022summer/

中部電力

エアコンの設定温度を変更するなど節電に応じれば、直近の電力使用量からの減少分に応じ、1キロワット時当たり10円相当のポイントを付与します。

▶️詳しくはこちら

https://www.chuden.co.jp/topics/campaign/cam_202206_01.html

四国電力

2022年8月分および2022年9月分の各月の電気のご使用量を検針期間の日数で割った「1日当たり使用量」について、前年同月の「1日当たり使用量」と比較し、3%以上削減すると、各月ごとに抽選を行い、抽選結果に応じてポイントを進呈します。

▶️詳しくはこちら

https://www.yonden.co.jp/publish/page_18.html

北陸電力

2022年7月検針日から8月検針日の前日まで(2022年8月分)および2022年8月検針日から9月検針日の前日まで(2022年9月分)の各月のご使用量が前年同月よりも削減した場合、各月の削減量の順位に応じて「ほくリンクポイント」を進呈します。

▶️詳しくはこちら

https://www.rikuden.co.jp/press/attach/22061601.pdf

九州電力

スマートフォンのアプリを使って、電気の使用量を減らすごとにポイントを付与する予定です。

▶️詳しくはこちら

https://www.kyuden.co.jp/press_h220630b-1

おうちでんき

「エコ電気アプリ」というソフトバンクが提供する「ソフトバンクでんき専用のアプリ」があります。月に2~4回程度開催され、ゲーム感覚で楽しく参加できる節電チャレンジに成功するとPayPayポイントがもらえます。月に2〜4回程度、節電チャレンジを開催予定です。

▶️詳しくはこちら

https://www.softbank.jp/energy/special/eco-denki-app/

東京ガス

電力の需給逼迫が予想される前日に、参加する顧客に時間帯などを通知してくれます。当日、その時間帯にエアコンの設定温度を変えたり無駄な照明を消したりして節電に協力すれば、通常の使用量から減らした分だけ、後日、節電ポイントとして還元されます。

▶️詳しくはこちら

https://drlv.tokyo-gas.co.jp/campaign/dr2022_summer.html

まとめ

今回の記事では節電要請について詳しく紹介しました。

さらに朗報なのが、電力会社が提供する節電プログラムに参加する家庭へ、2千円相当のポイントの付与を、8月中に開始するとのこと!

熱中症にはくれぐれも気をつけつつ、上手に節電してお得にポイントを貯めてみてはいかがですか?

監修 和田由貴さん

「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに賢い節約生活を提唱。暮らしや家事の専門家としてメディア出演、セミナー、執筆など多方面で活躍。
公式サイト 

        和田さんおすすめ!エアコン節電ワザ&グッズはこちらをクリック

節約
ランキング

おすすめ記事

全体ランキング